マウスピース矯正の仕組みと歯が動く科学
ひで歯科クリニック院長の金城英典です。
「マウスピースで本当に歯が動くんですか?」
これは、初診カウンセリングで最も多く聞かれる質問のひとつです。 今日はこの疑問に、できるだけ専門用語を使わず、わかりやすくお答えします。
まず大前提として、歯は骨に直接くっついているわけではありません。
歯と骨の間には「歯根膜」というクッションのような組織があり、矯正治療はこの歯根膜の性質を利用しています。
歯に弱く、一定の力が加わると、歯の進行方向では骨が少しずつ吸収され、反対側では新しい骨が作られます。 この現象を「骨のリモデリング」といいます。
マウスピース矯正も、ワイヤー矯正も、歯が動く原理は同じです。
マウスピース矯正では、1枚のマウスピースで動かす量はごくわずかです。
「0.2mm前後」という、とても小さな変化を積み重ねて歯並びを整えていきます。
この“少しずつ”が、痛みを抑え、歯や歯ぐきへの負担を減らすポイントです。
マウスピース矯正で最も重要なのが装着時間です。
目安は1日20〜22時間。
この時間が短いと、歯にかかる力が途中で途切れてしまい、せっかく動いた歯が元の位置に戻ろうとします。
つまり、マウスピース矯正は
「つけている時間=治療の質」と言っても過言ではありません。
当院では、ほとんどの患者さんに「チューイー」という補助具を使ってもらっています。
これはマウスピースを歯にしっかり密着させるための道具です。
ほんのわずかな浮きでも、歯の動きに影響することがあります。 日々の小さな積み重ねが、最終的な仕上がりを左右します。
マウスピース矯正は、魔法の治療ではありません。
でも、正しい知識と正しい使い方があれば、とても優れた治療法です。
「本当に自分にできるかな」 そう感じている方ほど、ぜひ一度相談してほしいと思っています。
次回は、「インビザラインというシステムと、当院が採用している理由」についてお話しします。