部分矯正と全体矯正の違いと選び方
ひで歯科クリニック院長の金城英典です。
マウスピース矯正の相談で、
一番多い質問がこれです。
「先生、前歯だけなら安く早くできますよね?」
今日はこの質問に、
院長として、そして矯正に携わる歯科医師として、
できるだけ正直にお答えします。
部分矯正とは、
主に前歯など一部分だけを整える矯正です。
対象になるのは、例えばこんなケースです。
動かす歯の本数が少ないため、
期間が短く、費用も抑えられることが多いのが特徴です。
「できるだけ早く」「できるだけ負担を少なく」
という方には、確かに魅力的に見えます。
一方、全体矯正は、
歯列全体と噛み合わせを含めて整える治療です。
見た目だけでなく、
こうした部分まで含めて調整します。
治療期間は長くなりやすく、
費用も部分矯正より高くなります。
ただし、
長期的な安定性という点では、
全体矯正に大きなメリットがあります。
ここが一番大切なポイントです。
部分矯正がダメなわけではありません。
ただし、
向いていないケースで選ぶと、後悔しやすいのです。
例えば、こんなケース。
このような場合、
前歯だけ動かすと、
噛み合わせがさらに悪くなることがあります。
正直に言います。
部分矯正は、
医院側からすると説明がとても難しい治療です。
なぜなら、
この線引きを、
きちんと伝えなければいけないからです。
「前歯だけ整えたけど、噛みにくくなった」
「結局、全体矯正をやり直すことになった」
こうした相談は、実際に少なくありません。
当院では、
見た目だけで判断しません。
必ず、
これらを総合的に診断した上で、
部分矯正が適しているか、
全体矯正が必要かを判断します。
結果として、
「部分矯正はおすすめしません」と
お伝えすることもあります。
それは、
将来後悔してほしくないからです。
矯正治療は、
今だけを見る治療ではありません。
5年後、10年後に、
「やってよかった」と思えることが一番大切です。
安さや早さも大切ですが、
正しい選択のほうが、もっと大切です。
もし迷っているなら、
「自分はどちらが向いているのか」
一度きちんと相談してください。
無理に治療を勧めることはありません。
あなたの歯にとって、
一番いい道を一緒に考えます。
次回は、「患者さんと二人三脚で進める装着管理の重要性」について、
マウスピース矯正で最も失敗しやすいポイントをお話しします。